成田山新勝寺

成田山新勝寺

成田山新勝寺は千葉県成田市にあり、1,080年以上の歴史を持つ日本有数の寺院です。年間1,000万人以上の参詣者が訪れるこの寺は、特に新年には約300万人が集まり、全国でも屈指の初詣客数を誇ります。
寺の名称「新勝寺」は「新たに勝つ」という意味であり、関東を護る霊場として開山されました。平安時代から存在するご本尊の不動明王は、毎日行われる「御護摩祈祷」を通じて、信者の願望成就や災厄除去に力を貸しています。この御護摩祈祷は煩悩を炎で焼き尽くすとされ、強力なお祓い・浄化力があると評されています。
広大な境内には、国指定の重要文化財である仁王門や光明堂、釈迦堂などが点在し、それぞれが特定のご利益に関連しています。例えば、家内安全、交通安全、出世、商売繁昌、恋愛成就など。更に、境内には成田山公園も併設され、池や滝、噴水、句碑がある他、成田山書道美術館や茶室「赤松庵」などの施設があり、訪れた人々に癒しと教養を提供しています。
成田山新勝寺は、単なる観光地以上の存在として、多くの人々に心の安らぎと力を与え続けています。御朱印巡りや体験プログラムも充実しており、一訪する価値のあるスポットです。

基本情報

名称
成田山新勝寺 (なりたさんしんしょうじ)
所在地
〒286-002 千葉県成田市成田1
アクセス
JR成田線成田駅又は、京成線京成成田駅から徒歩10分
駐車場
あり
駐車場は、周辺に民間・市営合わせて20箇所あります(正月は40箇所)
営業時間
終日(受付時間/8:00~16:00) ※境内は24時間開放
連絡先
電話番号:0476-22-2111
FAX番号:0476-22-2111
公式サイト

マップ

詳細情報

▶成田山のはじまり(開山縁起)
開山縁起1
寛朝大僧正(かんちょうだいそうじょう) 弘法大師(こうぼうだいし) 空海(くうかい)みずから開眼した不動明王と共に関東の地へ
平安時代、平将門の乱が起こり
不安と混乱に満ちた世の中
939(天慶2)年関東の武将・平将門が新皇と名乗り朝廷と敵対、平将門の乱が勃発します。乱世の中で人びとは、不安と混乱の中で生活していました。
朱雀天皇の勅命を受けた寛朝大僧正
不動明王の御尊像と共に関東の地へ
寛朝大僧正は、弘法大師空海みずからが敬刻開眼した不動明王を捧持して京の都を出発。大坂から船に乗り、房総半島の尾垂ヶ浜に上陸します。

開山縁起2
関東を守る霊場として成田山が開山
「新たに勝つ」新勝寺の寺号を賜る
成田の地にて御護摩祈祷を厳修
結願の日に将門の乱が終息
寛朝大僧正は、成田の地に御尊像を奉安し、御護摩を焚いて乱の21日間戦乱が鎮まるようにと祈願します。祈願最後の日、平将門が敗北して関東の地に再び平和が訪れます。
不動明王のお告げにより、成田の地に留まり人びとを救うため、成田山新勝寺が開山
寛朝大僧正が都へ帰ろうとしたところ、御尊像が磐石のごとく動かず、この地に留まるよう告げます。ここに成田山新勝寺が開山されたのです。

開山縁起3
民衆の絶大な信仰を集める
源頼朝、水戸光圀、二宮尊徳、そして市川團十郎
といった多くの著名人が成田山を信仰
歌舞伎役者の市川團十郎丈が成田不動に帰依し成田屋の屋号を名乗り、不動明王が登場する芝居を打ったこともあいまって、成田不動は庶民の信仰を集めました。
今の時代に続く「成田山のお不動さま」への信仰
現代においても、十二代目市川團十郎丈や市川海老蔵丈が成田山の不動明王に深く帰依し、昔と変わらず成田屋の屋号を名乗って、伝統芸能である歌舞伎の技を守り続けています。

開山の祖
寛朝大僧正(かんちょうだいそうじょう)
寛朝大僧正は、宇多天皇の孫にあたります。916(延喜16)年に敦実親王の第二子として生まれ、11歳の時に出家されました。仁和寺・東大寺・西寺の別当、東寺の長者を歴任され、986(寛和2)年に行基菩薩・慈恵大師良源上人に次いで日本で3人目の、真言宗では初の大僧正になられました。また、寛朝大僧正は声明の第一人者でもありました。声明とは仏典に節をつけて唱え、儀式に用いられる伝統音楽です。

▶成田山のお不動さまとは
成田山新勝寺の御本尊不動明王は、真言宗の開祖、弘法大師空海が自ら一刀三礼(ひと彫りごとに三度礼拝する)の祈りをこめて敬刻開眼された御尊像です。成田山では、この霊験あらたかな御本尊不動明王の御加護で、千年以上もの間、御護摩の火を絶やすことなく、皆さまの心願成就を祈願してきました。御護摩では、お不動さまの御力と僧侶の祈り、そして皆さまの祈りが一体となり清浄な願いとなって現れます。現在も、「成田山のお不動さま」として数多くの人びとの信仰を集めています。
▶お不動さまの御教え
成田山ではお不動さまの御教えを「私たちの誓い」として、不動尊信仰者の実践行としています。お不動さまの大慈悲心(いつくしみのみこころ)に感謝し、日常生活へ活かしていくことで歩むべき道を知る事ができます。
1.ご本尊さまの奴僕の行にしたがい
すべての人びとに奉仕いたします。
奴僕とは召使を意味する言葉で、献身的に他者に奉仕する者を指します。お不動さまは、あらゆる人びとを苦しみから悟りの世界へ救い導くために、青黒色の肌をした奴僕の御姿となって、私たちを御加護くださっています。
2.ご本尊さまの羂索のおさとしにより
つくし合いの生活をおくります。
お不動さまは、左手にお持ちになっている羂索という縄で、人びとが悪い方向へ向かいそうな時に、縛り上げてでも正しい道へ導いてくださいます。お互いに助け合う気持ちを大切にしましょう。
3.ご本尊さまの磐石の決意をもって
あらゆる苦難に耐えしのびます。
磐石とは、重い大きな石のこと。お不動さまは、磐石の上にどっしりとお座りになって、全ての人を救い導くという決意を示しています。煩悩に迷うことなく、何事にも屈しない忍耐力を育みなさいという御教えです。
4.ご本尊さまの燃えさかる火炎のように
ひたすら精進努力いたします。
お不動さまは、一瞬たりとも弱まることのない燃えさかる火焔の中に住しています。この御姿を通して、日頃の努力を怠らず、積み重ねていくことで道が開かれることを示しています。
5.ご本尊さまのゆるぎなきみ心を体し
精神の統一につとめます。
お不動さまの磐石に座す御姿は、悟りを求める心が堅固不動の境地にあることを示しています。自分の力を存分に発揮するために、どのような事が起きても冷静に受け止め、何事にも動ぜず対処できる不動心を身につけましょう。
ご本尊さまの利剣の智慧をもって
正しく判断し、真実の自己にめざめます。
お不動さまの右手の利剣は、物事の善悪を見極める正しい判断を象徴しています。怒り、貪り、愚かさという私たちの心の迷いを断ち切り、真実の自己にめざめるという、深い洞察力を体得しましょう。
7.ご本尊さまの加持力をいただき
平等の利益にあずかることを祈念いたします。

加持力とは、仏さまが慈悲の心で私たちをお守りくださる力と、それを受けとめようとする私たちの信心を表しています。仏の大慈悲はいかなる時も、私たちに注がれています。仏の慈悲の力と私たちの信心とが相応じあう時、はじめて加持力が発揮されるのです。