猊鼻渓

猊鼻渓

猊鼻渓は日本百景にも選ばれた美しい渓谷で、砂鉄川が侵食して形成した約2kmの区間に高さ約100mの断崖が両岸に立ち並びます。特に有名なのは舟下りで、船頭が棹一本で舟を操りながら「げいび追分」を歌います。四季それぞれに異なる美しい風景が楽しめるので、訪れる度に新しい発見があります。春には新緑、5月には藤の花、10月には紅葉が見られます。
渓谷には多くの季節限定イベントもあり、冬には「こたつ舟」が運行されて、厳冬の景色を楽しみながら木流し鍋を味わえます。折り返し地点には、「獅子ケ鼻」と名付けられた奇岩もあり、渓谷の名の由来となっています。
猊鼻渓は観光だけでなく、自然教育の場としても価値があります。透明度が高い川には魚が泳ぎ、舟から餌やりも楽しめます。ペットと一緒に乗船することも可能なので、家族全員で楽しめます。
特に紅葉の季節には混雑が予想されるので、朝早くに訪れることがお勧めです。近くには同じく美しい渓谷「厳美渓」もあり、猊鼻渓とセットで訪れるのも良いでしょう。猊鼻渓は幅広い世代に愛される観光地として、訪れる人々を魅了し続けています。

基本情報

名称
猊鼻渓 (げいびけい)
所在地
岩手県一関市東山町長坂町467
アクセス
電車でのアクセス
JR一ノ関駅乗り換えJR大船渡線・猊鼻渓駅下車徒歩5分
車でのアクセス
東北自動車道一関ICより東方面県道19号一関~大東線30分
東北自動車道水沢ICより国道343号線途中県道に…40分
船着場周辺にあり有料(500円)&無料
げいびレストハウス・ひがしやま観光ホテル前等(無料)
駐車場
駐車場 あり
営業時間
船下りは8:30~16:00
※時期によって異なります。
料金
大人 1,800円
小学 900円
幼児 200円
連絡先
電話番号:0191-47-2341
FAX番号:0191-47-2341
公式サイト

マップ

詳細情報

▶名前の由来
猊鼻渓~げいびけい~という名は、観光開拓の功労者である佐藤猊巌(さとうげいがん)をはじめ、地元有志によって、明治43年に命名されました。舟下りの折り返し点となる三好ヶ丘の奥、攬勝丘の対岸にそびえる大岸壁に突き出た「獅子(猊~しし~)ヶ鼻」が、その名の由来となりました。
▶猊鼻渓の生みの親
かつて辺境の地にあってほとんど知られていなかったこの渓谷を世に紹介したのは、佐藤猊巌(げいがん)。猊鼻渓を有する一関市東山に生まれ育ち、父・洞潭とともに私財を投じて観光地開拓に努め、東の耶馬渓(やばけい/大分県)とうたわれるまでに発展させました。
▶げいび渓いまむかし
▸猊鼻渓は長い間隠されていた?
猊鼻渓が知られるようになったのは、明治時代になってから。それまでは村の人でも知らない人が多かったと伝えられています。理由は、藩の役人が来たときに、接待の負担を逃れるためとか。藩に提出しなければならない風土記や絵図にも、この渓谷の存在は隠されていました。
▸木流し鍋の「木流し」って?
猊鼻渓の周辺はかつて赤松などの銘木の宝庫でした。これを伐りだし、筏(いかだ)に乗せて砂鉄川から北上川へと流して運ぶ人を、木流しと呼びました。こたつ舟の名物『木流し鍋』は、木流したちが仕事の合間に山で食べた伝統食。鶏肉や大根、ニンジン、ゴボウなどを刻んで味噌で煮た、ここだけの味わいです。
▸平泉の落人集落?
舟下りの中ほどに、中国の桃源郷になぞらえた古桃渓があります。岩壁の合間の渓谷に一筋の水が流れる水墨画のような名所ですが、この陰には平泉藤原の落人が住まう三十戸ほどの集落があり、砂鉄をとって暮らしていたと伝えられています。
▸船の首はなぜ平たい?
船頭が、棹一本でたくみに操るげいび舟。その首は尖った形ではなく、平たく広い造りです。これは馬の産地である岩手ならでは。馬を乗り降りさせるための馬渡し舟から受け継がれたものです。
▸一杯で三年若返る水?
三好ヶ丘の対岸には、湧き水があります。どんなに旱魃でもかれたことがないこの冷水は、少飛泉(しょうひせん)といい、船頭さんの間では、「一杯飲めば3年若返る」と言われているそうです。